2分で読める「生成AIのいま」 Vol.9 -”AGI(汎用人工知能)”ってなんだっけ?-
今回は、AIの未来を語るうえで、よくでてくる”AGI”について。
いろいろな考えがあるので難しいテーマですが、今回は私の視点を医療田さんと機械屋さんに語ってもらいました。
理解の一助になれば幸いです。
※ 2025年4月ころに書いていた記事ですが、なぜかブログサイトにアップするのを忘れてしまっていたようで。。^^;
今でもある程度通用する内容と思いましたので、掲載させていただきます。
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医療田さん:
機械屋さん。。
機械屋さん:
はい、なんでしょう?
医療田さん:
AIの話で、”AGI”っていう言葉をよく聞くけど、、
なんか、よくわからなくて。AGIって何をさしているのかしら?
機械屋さん:
AGI(Artificial General Intelligence, 汎用人工知能)とは
「人間ができる幅広い作業を、ほぼ同等かそれ以上にこなせるAI」
といったイメージで語られることが多いです。ただ、実は研究者によって定義がまちまちなんですよ。
医療田さん:
へえ。
たしか、GPT-4が出てきた2023年ころから、話題になったよね?医師国家試験とかでも人間と同じか、超えちゃってる、とか?
機械屋さん:
そうですね。GPT-4などの大規模言語モデルは、大学入試や法律系の資格試験などで高得点を出していて、人間レベルの成果を上げることもあります。
ただ、その一方で、例えば「状況や時代によって変わる微妙な道徳観」といった常識的な状況で間違えることもあるんです。
つまり、チェスや囲碁でプロを打ち負かすAIが、人だったら子供でもわかる常識を理解できない、なんてことも起こります。
医療田さん:
へー、なんかそれ、人間と得意分野が全然違うって感じだね。だとすると、そもそもすべての尺度で人間と比較することって意味があるのかな。。
機械屋さん:
そこがまさに議論のポイントです。
ですから、AI開発においても「人間と同じ能力を備えたAI」を目指しているのか、「人間とは違う形で幅広く問題を解決できるAI」を目指しているのか。
研究者によって考え方や目指すところが違うんです。
たとえば、ヤン・ルカン(Yann LeCun)という研究者も、
「AGIという言葉自体がちょっとズレている。人間は人間で得意分野と苦手分野があるから、その人間を基準に考えよりも、AIはAIとしての道を追求すべき」といっています。
医療田さん:
そもそも人間も、暗記は苦手だけど創造性はピカイチ、みたいにいろいろ得手不得手あるもんね。
機械屋さん:
そうですね。
人間の知能ですら、一様ではなく、さまざまな能力のいびつな集合体と見ることができます。
人間には驚異的な柔軟性と創造力がありますが、大量の計算やデータ処理はコンピュータに任せたほうが早かったりします。
一方、現状のAIは計算・記憶では人間を凌駕しつつも、環境への適応学習や少量の経験からの一般化では人間に及びません。
医療田さん:
なるほど。まとめると、AIにもいろんな強みと弱みがあって、今すぐ人間そっくりの知能になるわけじゃないんだよね。
機械屋さん:
おっしゃる通りです。だから、「AIの得意・不得意は人間と全然違うし、人間と同じ物差しで測るのは微妙じゃないか?」という医療田さんの疑問は、かなり妥当だと言えます。むしろAI独自の道筋で、柔軟性を高めたり、常識を学ばせたりする必要があるんじゃないか、と考えられています。
医療田さん:
よかった、あたしの疑問ってやっぱり筋があったんだね。ありがと。
じゃあ「AGI」って言われても、そのときの「AGI」って何を指すのか、場合によりけり、なのね。