2分で読める「生成AIのいま」 Vol.11 -どんどんすごくなるChatGPT… "o3"機能の紹介-

医療田:

ねえ機械屋さん、

機械屋:

はい。あ、ChatGPT-o3の解説ですか?

医療田:

そう。。よくわかったね!

機械屋:

いま話題ですしね。

医療田:

“o3”って新しいAIでしょ? 私も自分でちょっと使ってはみたんだけど。。

どんなものか、簡単に教えて?

1 画像を「考えながら」読む

医療田:

たとえば、写真を理解する、って聞いたんだけど。

機械屋:

そうなんです。“Thinking with images”機能ですね。

画像を認識する機能は“GPT-4o”にはありましたが、“o1”ではありませんでしたので、OpenAIの高度推論モデルとしてははじめてのことです。

たとえば家族旅行で撮った風景写真を渡すと、

画像を細かくズームし → 山の形や影の向きを手がかりに → ウェブ検索で照合、

「これは北海道の帯広の大雪山ですね」と推理します。

まさに人間が「目を凝らして地図を見る」作業を代理でやるイメージです。

この機能を利用すると、ChatGPTに“ウォーリーを探せ”をさせたりすることもできますよ。

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2 迷路やパズルも一発攻略

機械屋:

画像解析の応用として、迷路を解く、なんてこともできるようになりました。

医療田:

えっ、、、そうなの?すごくない?

機械屋:

すごいですよね、

迷路画像を用意すると、ルートを赤線で描き込み直した PNG を生返してきます。

また、これを応用すれば、図面や倉庫レイアウトの経路最適化など、工夫次第で実務にも展開可能できそうですよね。

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3 データ分析

機械屋:

データ分析も秀逸です。

例えばですが、、

過去3年間に売れた商品の CSV ファイルをそのままアップロードするとしますよね。

すると o3 は自動で Python を呼び出し、売上や注文数を月ごとに集計。

年平均成長率(CAGR)や季節ごとのクセを計算し、折れ線グラフやヒートマップを作ってくれます。

さらに、“どう伸ばすか”という実践的なアドバイスまで返ってくるんですよ。

医療田:

すごい!病院なら、病床データや感染症トレンドの分析にも使えるわね。

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4 文脈に応じて自律的にWeb検索を行う

機械屋:

“o3”は、ユーザーの指示(プロンプト)の文脈から必要性があると判断した場合、こちらが指示せずともWebブラウジングを行い、ネット上の情報を反映してくれます。

医療田:

そうなんだ。。。

それにしても、

画像を細かくズームして解析したり、データを投げ込むと分析してアドバイスしてくれたり、必要に応じてウェブ検索を行ってくれるって、

今までなかった機能だよね?

機械屋:

痒い所に手が届く機能がいくつも見られますよね。

まるでユーザーの代理人(エージェント)。

それもそのはず、o3 は単なる LLM ではなく、最初から「AI エージェント」として設計されているそうですよ。________________________________________

6  弱点:それでも残るハルシネーション

医療田:

すごいね、ここまで完璧な AI なんだ。。

機械屋:

そうですね、でも―実は弱点もあります。

たとえば画像の中で「数を数える」作業は苦手で、指が6本ある絵文字を見せても「5本です」と答えてしまったりします。

医療田:

えっ^^;、そんな単純ミスを?

機械屋:

ええ。幻覚(ハルシネーション)も依然、問題です。

OpenAI の検証では、o3 は約33%、04-mini では48%の確率で事実と食い違う発言をしたそうです。

医療田:

三分の一も? それは、、医療データとかを扱うとなると怖いわね。

機械屋:

ええ。

だからこそ、数字や診断結果のようにミスが許されない場面では、AI の出力を必ず人間がダブルチェックする――これは今でも、絶対必要な人間の仕事ですね。

そのほか、これは私の個人的な感覚ですが、非常に賢い反面、出力がやや堅苦しい印象を受けますね。専門的な略語、医療で言ったら心臓カテーテル検査を、断りなくPCIと表現したり、といった、やや周到さに欠ける側面も見られます。

今後マイナーチェンジで改訂されていくかもしれませんが。

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