2分で読める生成AIのいま Vol.41Azure AI活用事例②:JALの客室乗務員が「オフライン」でAIを使う理由

前回は、パナソニック コネクトによる「全社的・大規模」なAI活用事例を紹介しました。

今回はうってかわって、私たちの旅を支える「現場の最前線」で活躍するAIのお話です。



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0. Vol 40のその後

医療田:

機械屋さん、前回のClaude Coworkだけど、その後どう?



機械屋:

そうですね、考えても見れば、自費でWindows365を購入して、このPCで使用するWindowsアカウントを変更すれば問題なく使えるわけですし、近々そのようにしてもいいかな、と思っています。

では、Azure AIの活用事例に戻りますね。



医療田:

待ってました!



1. 空の上でのAI活用

医療田:

ねえ機械屋さん。前回はIT企業の活用事例だったよね。

私たちの生活に近い場所での活用事例ってないの?



機械屋:

それなら、今回のテーマは「旅行」、にしましょうか。

「日本航空(JAL)」の事例を紹介しましょう。



医療田:

JALか~!



機械屋:

彼らが解決した課題は、実は私たちのスマホ事情とも少し似ているんです。



医療田:

スマホ事情?



機械屋:

はい。飛行機に乗っている時って、スマホの電波がつながりにくい、あるいは使えないですよね?

これは客室乗務員(CA)さんたちも同じなんです。



2. 「報告書作成」という重荷

医療田:

あー、確かに。

でもCAさんって、フライト中にそんなにスマホ使うの?業務中にスマホ見てたら、、



機械屋:

ああ、ええと、そういうことではなくてですね。

あくまで業務上の利用です。

スマホではなくiPadを使っていますが、業務の一つに「報告書の作成」があります。



医療田:

ああ、そういうことか。



機械屋:

機内で起きたトラブル(体調不良のお客様への対応や、設備の不具合など)を記録に残す必要があるんです。

これまでは、フライト後に地上で記憶を頼りに書いたり、限られた通信環境で苦労して入力したりしていて、1時間以上かかることもあったそうです。



医療田:

うわあ、長距離フライトの後でそれはキツイね…。

機内で済ませられればいいのに…。



3. そこでSLM「Phi-4(ファイフォー)」

機械屋:

そこでJALが、富士通やヘッドウォータースと協力して開発したのが「JAL-AI Report」というアプリです。

音声や短いメモを入力するだけで、AIがきちんとした報告書にまとめ、さらに英語への翻訳までしてくれます。



医療田:

へええ!電子カルテの音声入力システムみたいだ。



機械屋:

そして驚くべきは、これが「オフライン(電波のない状態)」でも動くという点です。



医療田:

えっ、AIってクラウドにつながってないとダメなんじゃないの?



機械屋:

普通はそうですね。

でもJALは、マイクロソフトの「Phi-4(ファイフォー)」というAIモデルを採用しました。

これは「小規模言語モデル(SLM)」と呼ばれ、性能を保ちつつサイズを小さくしたもので、iPad本体の中で動くんです。



医療田:

あ、それって前に話してた「AI on エッジデバイス」(Vol.26)の話じゃない!

あの時の「そのうちタブレットでもAIが動くかも」っていう予測が、もう現実になってるんだ!



機械屋:

よく覚えていますね。まさにそうなんです。

このアプリのおかげで、報告書作成の手間が劇的に減り、場所や時間を選ばずに作業できるようになりました。

JALはこの技術で、「事務作業の時間」を減らし、その分を「お客様へのサービス(おもてなし)」に充てようとしているんです。



医療田:

なるほどね。AIが裏方で頑張ってくれるから、CAさんも仕事がはかどって、結果的に私たちも快適な旅ができるわけだ。



4. あれ?Azureってクラウドじゃないの?

医療田:

でもさ、機械屋さん。さっきから「マイクロソフトのPhi(ファイ)」って言ってるけど、それって結局Azure(アジュール)を使うってことでしょ?

Azureって「クラウド」じゃない?このAI、オフラインで動くのに、なんでクラウドのインフラが必要なの?



機械屋:

いい質問ですね!

実は、今回の仕組みは「現場はオフライン、管理はオンライン」というハイブリッドな形になっているんです。



医療田:

ハイブリッド?



機械屋:

はい。まず、機内でCAさんが報告書を書くとき、AIが「考える(推論)」処理はすべてiPadの中で完結します。だから電波がなくても爆速で動くんです。

で、作成した報告書を、今度は会社に共有したいときは、どうします?



医療田:

あぁ、そっか。着陸した後に本部に送らなきゃいけないんだ。



機械屋:

その通りです。

着陸してiPadが通信につながった瞬間、作成されたデータはAzure上のデータベースへ自動的に同期されます。

つまり、「現場の作業」はオフラインで身軽に、「データの蓄積・管理」はクラウドで堅牢に。 この使い分けのインフラとしてAzureが不可欠なんです。



医療田:

なるほど!



機械屋:

さらに、JAL独自の用語をAIに学習させたり(ファインチューニング)、不適切な回答をしないよう監視したりする「教育」や「安全対策」も、Azureという強力なインフラの上で行われているんですよ。



医療田:

しかし、、

空の上でもAIが働いているなんて、なんだか未来だね~!



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まとめ:

・JALは客室乗務員の業務支援にAIアプリ「JAL-AI Report」を導入した。

・通信環境のない機内でも使えるよう、小規模言語モデル「Phi-4(ファイフォー)」を採用した。

・AIはクラウドだけでなく、デバイス(端末)の中でも進化している。



次回は、エンタメの世界へ!

福岡ソフトバンクホークスが、わずか1.5ヶ月で作り上げた「対話するAIアバター」の正体に迫ります。



参考リンク:

- 富士通プレスリリース(2025年3月27日): https://pr.fujitsu.com/jp/news/2025/03/27.html

- Microsoft 特集記事: https://news.microsoft.com/source/asia/features/jal-japanese/?lang=ja



※記載の数値・内容は執筆時点(2025年2月)のものです。



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