2分で読める生成AIのいま Vol.38 Microsoft Azureを使ったAI活用4 責任あるAI - Azure使いの鉄則
Azure編の最終回です。 最後は、AI、特にAzure AIを活用する上で、私たちが背負うべき「責任」の話をしましょう。
医療田さんと機械屋さんの会話、Azure編のクライマックスです。
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1. もう一つの活用事例:AIが「光」をもたらした日
医療田:
ねえ機械屋さん。 Azure AIの活用事例をもう少し、教えてくれる?
機械屋:
もちろんです。 Azure AIが「不可能を可能した事例」 を紹介します。
医療田:
またまた、すごそうだね!
機械屋:
医療田さん、
『Be My Eyes』というアプリをご存知ですか?
医療田:
あ、、もしかするとSNSで見たことあるかも、たしか、目の不自由な人向けのアプリだよね。
機械屋:
さすがですね。
これはAzureの基盤で動くOpenAIの技術(GPT-4)を搭載した視覚支援アプリなんです。
また、翻って、Microsoftの公式サポートにも採用されているんですよ。
医療田:
へえ!MicrosoftのAzure AI使った技術が、Microsoftに使われているんだ。なんだか素敵な話だね。
機械屋:
そうですね。
視覚補助、例えば、冷蔵庫の中身をスマホのカメラで映すと、AIがこう言うんです。
「卵と牛乳と、使いかけの野菜がありますね。これならオムレツが作れそうです」って。
あとは、「赤いシャツはどれ?」と聞けば、「右から2番目のハンガーにかかっています」と教えてくれる、そんな感じです。
医療田:
視覚に障害を抱えた方には、とてもいいパートナになりそう。。!
機械屋:
そうです。 今まで「誰かに聞かないとわからなかったこと」が、AIのおかげで「自分一人でできる」ようになった。
あるユーザーは「初めて世界が自分のものになった気がした」と言ったそうですよ。
医療田:
そうなんだ。。!
「便利」なんて言葉じゃ片付けられないね。 人の人生を変えるレベルの話だ。
参考リンク:
Microsoft Customer Story: Be My Eyes (https://www.bemyeyes.com/business/microsoft-case-study/)
Be My Eyes introduces new tool powered by OpenAI’s GPT-4 (https://openai.com/ja-JP/index/be-my-eyes/)
2. AIを使うための「6つの約束」
医療田:
機械屋さん、
AIを使ったそんな心温まるエピソードの後で、なんだけどさ、、
機械屋:
はい、何でしょう?
医療田:
これだけ多彩な能力を持つAIだけど、それだけに、やっぱり怖さはあるよね。
そのAIが特定のだれかをヒイキとか、差別したり、個人のプライバシーをバラ撒いたりしたらどうするの?とか。
機械屋:
おっしゃる通りですね。
だからこそ、Microsoftは 「責任あるAI(Responsible AI)」 という厳格なルールを定めています。
医療田:
責任あるAI。
機械屋:
そうです。
具体的には、以下の 6つの原則 です。
・公平性 (Fairness): 特定の人種や性別を差別しないこと。
・信頼性と安全性 (Reliability & Safety): エラーや予期せぬ動作で人に危害を加えないこと。
・プライバシーとセキュリティ (Privacy & Security): データを守り、個人の秘密を漏らさないこと。
・包括性 (Inclusiveness): 障害の有無に関わらず、誰でも使えること。
・透明性 (Transparency): AIがなぜその答えを出したのか、説明できること。
・アカウンタビリティ (Accountability): 最終的な責任は人間が持つこと。
医療田:
。。うっく。
機械屋:
ああ、医療田さん、大丈夫です。徐々に覚えていってくれればいいですよ。
医療田:
うん、ありがとう。
。。あ。
例えばさっきのBe My Eyesなんかは、公平性に貢献しているのかな。
機械屋:
お、確かに!
「誰にでも使える」環境を作ることは、まさにAzureのAIが掲げる「包括性」の原則そのものです。
医療田:
なるほどね、そうやって具体例で見ると、急に身近に感じるよ。
機械屋:
でしょう?
そして、
Azureには、AIがこれらの原則に反していないかを自動でチェックする機能(Azure AI Content Safetyなど)が標準で備わっています。
いわば、「AIが暴走しないための強力な安全装置」がセットになっていると思ってください。
3. 「メス」を握るのは誰か
医療田:
なるほどね。 Azureを使えば、Microsoftが安全を保証してくれるから安心ってことか。
機械屋:
…いいえ、医療田さん。そこは少し違います。
「安全装置があること」と「安全であること」はイコールではありません。
医療田:
えっ? どういうこと?
機械屋:
たとえば、最高品質の「手術用メス」があったとします。 切れ味は抜群で、滅菌も完璧です。
でも、それを握る外科医が知識不足だったり、乱暴に扱ったりしたらどうなりますか?
医療田:
そりゃあ…危ない、よね。
そんな外科医の先生、いないと思う、けど。
機械屋:
AIも同じなんです。
Azureは「最高品質のメス」と「消毒設備(ガードレール)」は提供してくれます。 でも、「それを使ってどう手術(サービス構築)するか」は、私たち開発者やユーザーの責任なんです。
医療田:
あー、そういうことか…!
機械屋:
「Microsoftが守ってくれる」んじゃなくて、、
医療田:
待って、私に言わせて。
「Microsoftが守ってくれる」んじゃなくて、「Microsoftが用意してくれた安全基準も活用しつつ、私たちが責任あるAIを作らなきゃいけない」んだ。
機械屋:
さすが。その通りです。
先ほどの「6つの原則」を守れるようにシステムを設計し、運用する。
魔法の杖を振るなら、振る人間がその結果に責任を持たなければならない。 それが 「AIを使う」 ということの本当の意味です。
医療田:
重い言葉だね。 でも、だからこそやりがいもある。 たしかに、AIの能力はすごくて、まるで魔法みたい。
でも、その「魔法」を正しく届けるために、私たち自身が賢くならなきゃいけないんだね。
「Microsoft Azureを使ったAI活用」まとめ:AIとどう向き合うか
機械屋: 全4回にわたるAzureシリーズ、これで完結です。
ここまでいかがでしたか?
医療田:
長かったような、短かったような。
最初は「クラウド=安全な金庫」って話から始まって(Vol.35)、
AIが「目」や「耳」を持って代行してくれたり(Vol.36)、
山のような資料を「宝の山」に変えてくれたり(Vol.37)。
そして最後は、それを使う「責任」の話(Vol.38)。
機械屋:
まさに「フルコース」でしたね。
基盤(クラウド)、身体(感覚)、頭脳(認知)、そして心構え(責任)。
これらが揃って初めて、本当に役立つAI活用ができるんです。
医療田:
「魔法みたい」だなんて言ったけど、こうやって振り返ると、ちゃんと地に足のついた「最強の道具」なんだね。
機械屋:
まあ、「優れた科学技術は、魔法と見分けがつかない」、なんていう言葉もありますけどね。
医療田:
お、アーサー・C・クラークだね?
機械屋:
そうです。SF作家であり、通信衛星の着想者としても知られる彼の言葉です。
何はともあれ、道具は使い手次第。
最高の道具を手に入れた医療田さんの、これからの活躍が楽しみです。
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